愛知県と三重県に囲まれ、資源豊かで多彩な魚種が集まる伊勢湾。
釣船も数多く、さまざまな釣りが楽しめる魅力的な海域です。
今回は愛知県南知多町・大井港から出船するルアーの釣船「SORA」で伊勢湾タイラバを満喫してきました。

南知多エリアは名古屋市から車で1時間圏内という好アクセス。
大井港の他、師崎、豊浜、片名、内海、河和、山海など多くの港が点在し、遊漁船も多数出船しています。
朝便は集合時間に間に合う公共交通機関がないため車での移動が基本。
近隣には宿泊施設も多く、遠方から釣りに訪れるアングラーも少なくありません。
今回はたまたま愛知県に来ていたアングラーズスタッフさんをお誘いして、一緒に楽しみました!
ルアー・ジギング船「SORA」

「SORA」小久保青空船長(左)と「政宝丸」小久保政英船長(右)
SORAは、小久保青空船長が操船するルアー・ジギング船。
操業開始は2年ほど前ながら、篠島(大井港発)の人気ルアー船・政宝丸の小久保政英船長を父に持ち、実力派として人気を集めています。
伊勢湾のポイントを熟知しており、渋い状況でも粘り強く魚を探してくれる頼もしさが魅力。
釣りへの情熱と確かな腕前も光る、信頼できる船長です。
通年でジギングとタイラバを楽しめるほか、春・秋の一部時期にはキャスティングエギング、ティップランエギング、タコエギ便、午後便なども実施。
篠島の激アツポイントで狙うアオリイカ便は釣果抜群で、予約が常にすぐ埋まる大人気プランです。


また、充実の装備とルアー釣りに快適な釣り座の広い船で、初めての人も存分に釣りを楽しめます。
さらに愛知県のジギング・ルアー船13隻で構成される「伊勢湾ルアー船連合」に所属。
熟練船長たちがリアルタイムで情報を共有し、渋いときには手分けしてポイントを探す頼もしいネットワークが構築されています。
連合の中で「SORA」「政宝丸」「正将丸」「ランスルー」(2025年5月時点)は「アングラーズ釣船予約」でも予約可能です。
この連合では、2025年で第17回目を迎える伊勢湾で最大規模の釣りイベントである「伊勢湾ジギングバトル」を毎年8月から12月に開催。
伊勢湾ジギング&タイラバの魅力を体感してみてください!
「伊勢湾ジギングバトル」の詳細についてはこちらから!
乗船までの流れ
前日まで
基本的に予約が必要です。
「アングラーズ釣船予約」、または電話等で予約してください。
前日
前日の19:00~19:30に必ず出船確認の電話(090-7850-9515)をします。
集合時間の再確認や、最近のヒットルアーや分からない点の相談も可能です。
不慣れだったり初めて挑戦したりする人は、事前に伝えておくと良いでしょう。
当日
集合時間の10分以上前を目安に駐車場到着がおすすめ。
近隣2軒のコンビニは朝は混雑することも多いため、立ち寄る人は余裕を持って向かいましょう。
無料の駐車場はGoogleMapsで「ルアー船政宝丸SORA 駐車場」で確認できます。


国道247号線を海方向へ曲がり、坂を下ったところが港です。


港の奥へ進んだ先に駐車場があります。
駐車場に案内や誘導はないので、奥から順番に駐車しましょう。
乗船場所は駐車場から徒歩1~2分です。
着替えや荷物を整え、集合時間前には到着しましょう。

「SORA」は篠島の船のため、集合時間前に海から接岸してきます。
船が到着すると予約順に呼ばれ希望の釣り座を伝えてから乗船、船上で乗船名簿の記入と乗船料を支払います。
出船まではしばらくあり、最初のポイントの情報についてアナウンスを聞いて最後の準備をします。
いよいよ出船です!
実釣レポート
集合から準備まで
この日は5:30集合。
事前に、PEライン0.6号とリーダー2.5号をFGノットで結束。
結びに自信がない人は、遠慮せず船長に相談すると丁寧に教えてもらえます。
出船前、船長から最初のポイントは水深約50mほどとのアナウンスがあり、私はオレンジ色の60gヘッド、伊勢湾初挑戦のアングラーズスタッフは無垢色の90gタングステンヘッドを選択。
ユニットは、3Sサイズの3本針アシストフックにネクタイはシンプルな構成(写真)です。

伊勢湾ではボリュームのあるネクタイやスカート、ワーム類より、シンプルな仕掛けの方が実績があるようです。
ポイント到着、いよいよスタート
6:00ごろ出船し、約30分でポイント到着。
すぐに釣り開始のアナウンス、ネクタイと針が絡んでいないか確認してから丁寧に投入し、着底したらロッドとラインをなるべく水平に保ち、等速で巻きます。
この日は海底から10mほど上まで(リール約20回転)を1秒に1回転ほどの巻き速度で誘い、反応がなければ再度着底から巻き上げを繰り返すのが一連の流れです。
着底から巻き始めまでのタイムラグをなくし、急なルアーの動きで魚に違和感を与えないのが大事とのこと。
また、時々回収して巻き速度やヘッド、ネクタイの選択など、無限に近いパターンの中から「その日の正解」を探ります。
予想外のヒットから!
この日は気持ち良い気温&ほぼ無風という絶好の釣り日和。
しかし、長潮で潮の動きが弱く、魚の活性は控えめ。
SORAでは、探見丸スマート対応なので、スマホアプリで船の魚探の映像を見ることが可能。
真鯛のような反応が何度も映り、船長も流し方やポイントを変えてくれます。

掛け下がりで真鯛らしき反応(探見丸スマート)
お待ちかねのファーストヒットは同乗のお客様のヒラメ!
その後もカサゴが船中に上がりだし、本命外だけれど嬉しい当たりが続きました。
本命の真鯛!
肝心の真鯛はなかなか姿を見せてくれませんでしたが、タイラバのネクタイを変えた途端に、ついにヒット!
小鯛らしいバタバタ叩く当たりに胸が高鳴りましたが、無念のフックアウト。
すぐに気持ちを切り替え再挑戦、ほどなくしてふたたび真鯛のアタリが!

今度はしっかり乗せ合わせを入れ、ついに小型ながら念願の船中1匹目の真鯛をキャッチ!

こちらはリリースサイズ、エアー抜き後に釣り座にある海水ホースの生簀で様子を見てからリリースしました。
この日一番のチャンス!
しばらくしたら、海底から7m上まで追いかけてきてついばむ、サイズがそれなりにある真鯛特有のアタリ!
このヒットを皮切りに船中は連鎖モード突入で3人同時ヒット!
一緒に来たアングラーズスタッフにも待望のアタリが!
初めての真鯛のアタリに興奮、思わずリールを早巻きしてしまいフックアウト。
すぐ再投入で即再ヒットするも、またも興奮フックアウト。

悔しさと驚きが入り混じる、なんとも言えないこの表情です。

その間、同乗したお客様と私はしっかりキャッチ。
サイズは30cm強とそこそこながら、産卵前の体高があり分厚い美味しそうな真鯛。
シャコのような甲殻類と砂を吐き出していたので、海底付近で何かを捕食していたようです。
その後はサバフグやカサゴなどが釣れるものの、本命のアタリは止まり……。
本命以外のアタリも完全に止まったタイミングで篠島沖のポイントへ移動。
ここは篠島所属の船のみ入れるエリアで、私も初めての経験です。
魚探の映像にはびっしりと反応があり、船中では大きなアズキマス(キジハタ)やとても分厚い真鯛など次々と上がりました。
そして、沖上がり5分前、未だに坊主のアングラーズスタッフに、ついに待望のヒット!

船長と自分から背中にかけられたプレッシャーの中、慎重にやり取りし

見事キャッチ!
三度目の正直、最後のドラマで安堵と達成感に包まれた表情が忘れられません。
最後まで楽しめた一日
活性が低めで少し難しい日でしたが天気にも恵まれ、最後まで楽しく釣りができた一日でした!

最後まで必死に釣らせようとしてくれ船長も、二人ともキャッチの後にはこのピース!
伊勢湾のタイラバはただ釣るだけでなく、パターンを探して仲間と盛り上がれる最高の釣りです。
次回はさらに良型を期待したいところ。
そろそろ青物が回り始める季節、7月頭ごろには良型タチウオのシーズンも到来します。
次の釣行も今から待ち遠しいです!
船長インタビュー
今回お世話になったSORA・小久保青空船長にお話を伺いました。

―今日はありがとうございました!難しい日も攻略が楽しいです!
船長: こちらこそありがとうございました!
今年は少し遅れ気味ですが、もう青物も回ってきますし、去年は6月末に大型タチウオが釣れ始めたので、またぜひ遊びに来てください!
―伊勢湾はルアーで何狙いの釣りができますか?
船長: ジギング、タイラバでは青物、サワラ、シオ、ヒラメ、スマ、タイ、アジ、カマス、根魚などいろいろ釣れます。
また、時期になるとタコやアオリイカ狙いの便も出しています。
アオリイカは篠島周りのポイントで魚影が濃く、サイズも数も出るので自信があります!
―エギング便だけは人気すぎてなかなか行けませんでしたが、今年はぜひ行かせていただきます!
メインの伊勢湾ジギング、タイラバはどの時期が一番楽しいですか?
船長: いろいろな魚種や海の状況があるので良いときを選ぶのは難しいですが、渋い日でも「伊勢湾ルアー船連合」の仲間でポイントを探しあって、皆様に楽しんでいただけるよう頑張っています!
―ルアー船連合主催の「伊勢湾ジギングバトル」、今年も楽しみです!
船長: 毎年本当に多くの方に参加していただいています。
サイズで競う大会で、多くの協賛もをいただき豪華な景品が多数用意されています。
上位以外の方にもピッタリ賞や中間賞などの豪華景品が用意されていて、誰にでもチャンスがあるので、ぜひ楽しんでください!
―最後に一言お願いします!
船長: 何より安全に、そして釣りを最大限楽しんでいただけるよう、これからも頑張っていきます。
わからないことがあれば、何でも聞いてください。
ー今日はありがとうございました!

こちらは2024年に遊びに行かせていただいた時の写真。
持ち物・タックル
持ち物
• ジギング、タイラバタックル(※レンタルタックル有り(ただし、ルアー等は持参)、要事前連絡)
• 長いプライヤー(魚からフック外し用・必須)
• クーラーボックス(30~50L程度)と氷(船では販売・用意はありません)
• 小物類
• ライフジャケット、季節に応じたウェア、濡れても良い滑りにくい履き物(※スパイクは禁止)
• 飲食物
• ゴミ袋(ゴミは各自持ち帰り)
• 乗船料
タックル
伊勢湾でのタイラバ・ジギングの一般的なタックルを紹介します。
【タイラバ】
• ロッド:タイラバ専用ロッド(柔らかめの竿が有利な場合が多い)
• リール:200番程度のベイトリール
(ベイトタックルが中心ですが、状況に応じてスピニングタックルも)
• PEライン:0.6号~0.8号を200m以上
• リーダー:フロロカーボン2号~4号を2~4m程度
• タイラバヘッド:80g前後を中心に45g~120gを用意。特にタングステンのヘッドが有利
• 仕掛け:ネクタイ1本など、シンプルなものが有利
• アシストフック:掛かりがよく軽量な小さい針を2~3本つけたものがおすすめ
【ジギング】
今回は挑戦しませんでしたが、伊勢湾ジギングのタックルを紹介します。
このエリアではPEライン1.5号程度のライトジギングが中心で、ベイトタックルを使用する人が多いのが特徴です。
主なターゲットはハマチ〜ブリ、タチウオ、シオ(カンパチの幼魚)など、場合によってはアジやカマス等をジギングサビキで狙うこともあります。
• ロッド:ライトジギングロッド(2番または1番程度)
• リール:300番台または1500番台(ベイト)、4000~6000番(スピニング)
• PEライン:1.5号を300m以上
• リーダー:フロロカーボン8号を3~4m程度
• メタルジグ:60g程度から200g
• 小物:アシストフック、スプリットリング、ソリッドリング、ジギングサビキ仕掛けなど
初夏から秋にかけてのタチウオシーズンにはタチウオ用の各種フックも必要。
ただし、船によってはワイヤーリーダー禁止の場合があるので注意が必要です。
スピニングタックルやSLJ(スーパーライトジギング)タックルが有利なこともあります。
▼「SORA」のプランはこちら







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