5〜8月にベストシーズンを迎えるタコ釣り。
今年もタコ釣りの時期がやってきました!
タコ釣りが盛んな地域は日本全国にありますが、その中でも特に明石は全国的な知名度を誇る有名なエリア。
5月1日(木)〜8月31日(日)までの期間、明石市漁業組合連合会遊漁船業代表者部会(以下部会)の部会会員になっている釣り船でのタコ釣りが解禁です!
後述する明石市漁業組合が管理する「共同漁業権エリア」は、特別に資源保護されているエリアで、タコの量がほかの地域と比べても豊富なのが特徴。
そのエリアでは、部会に所属する釣り船以外は操業できません。
※アングラーズ釣船予約から予約できる明石のタコ釣り船は、ページの最下部で紹介します。
タコ釣りは難しいテクニックが必要なく、基本を守れば比較的簡単に釣れることから、子どもや女性、ビギナーからも近年人気を集めています。
その反面、漁獲量が激減しているという問題もあります。
そんな社会問題を解決しようと立ち上がったのが、部会の会長を務める『丸松乗合船』の松本正勝大船長です。
『丸松乗合船』について

2025年で43年目を迎える釣り船、丸松乗合船。
2代目の松本正勝大船長と3代目の若船長・勝誠船長が舵を握る人気の釣り船です。

足元にイケスを備えた背もたれ付きの座席があり、長時間の船釣りでも疲れにくいのが初心者にとってうれしいポイント。
電動リール用の電源も船にあり、バッテリーを持参しなくても電動リールを使用できます。

また、キャビン内は冷暖房完備なだけでなく、電気ポットや電子レンジも用意されています。

「第八明石丸」の最大の特徴は、男性用トイレと女性用トイレとで分けられているところ。
最近、どちらのトイレも少しスペースを拡張されたそうで、船上トイレとしては広めな設計なのも特筆したいポイント。
設備面が整っていることもあって、女性の釣り人も多く利用されています。
明石タコの特徴は?

ブランドタコとして全国的に有名な明石タコ。
勝誠船長曰く、浅瀬に生息し、瀬戸内海の荒波にもまれることで足が太く、短いのが見た目的な特徴なんだとか。
さらに、この海域は栄養が豊富なため、引き締まった身の中に甘みがぎゅっと凝縮されているそうで、聞いているだけでもおいしさが想像できます。
2025年の明石タコ釣りのルール紹介

『丸松乗合船』大船長の松本正勝さん率いる遊漁船業代表者部会では、毎年4月ごろに会合を開催し、タコの資源を守るために仕掛けや釣りの解禁期間、漁場エリアなどを策定しています。
2016年から始まった“タコ釣りルール”は、「行政」「漁業者」「釣り船」「釣り人の組合」など、各方面から集まった代表者が話し合い決められているもの。
その話し合いによって、毎年ルールが少しずつアップデートされたり変更されたりしており、2025年は以下の通りにルールが定められました。
【2025年ルール】
①使用するタコエギの数は2つまで
②カエシの付いている針はカエシをつぶして使用
③全周針は針が180度までとする(半傘)
④2段、3段の針は使用不可
⑤生エサの使用不可


座標で結ばれた範囲内は、資源保護区域として管理された共同漁業権エリアです。
このエリアでのタコ釣りが認められているのは、明石市、播磨町・東播磨・高砂漁協の組合に所属する釣り船のみ。
組合に所属していない釣り船や個人所有のボート、さらにはおかっぱりからのタコ釣りも禁止されています。
釣っているのが見つかれば、「密漁」として法律違反の罰則を受ける可能性があります。
また、マップ上には記載されていませんが、稚魚育成場内も資源保護の観点から原則釣り禁止となっています。
初心者におすすめのタックルは?

【ロッド】オモリ負荷50〜60号で1.6〜2mの船タコ専用竿
【リール】PEライン2〜3号を150m以上巻けるベイトリール
【メインラインの太さ】PEライン2〜3号
【リーダー】8号、10号
【エギの色】蛍光色(ピンク、緑、白といった派手な色)
船長インタビュー

今回、明石タコのルールについて説明してくれた『丸松乗合船』の松本正勝大船長と3代目の勝誠若船長。
明石の海、そして明石タコに人一倍強い思い入れがあるというお二人にお話を伺いました。
ーーいつ頃からタコ釣りが人気になったんですか?
船長:10年ほど前、タコ専用のエギが出だしたころから流行り始めました。
でも、そのエギによって漁場範囲が広くなったり、温暖化で資源が枯渇したり......。
本格的にタコ資源を守るなら、釣り船も漁業者も、お互いが協力してやらないとということで話し合いをし、こういう取り組みが始まりました。
ーー明石タコが減っているとお伺いしました。
船長:確実に減っていると感じています。
今は釣りができる時間に制限を設けていますが、昔は制限がなかったことや、組合に所属していない船がタコを捕りに来たりといった状況も一因としてあります。
今後ますますタコの資源が枯渇していくことが予測されるので、資源保全のための活動をしているんです。
ーー具体的に、どういった活動をしていますか?
船長:漁業権で守られているエリア以外も守るために土壌改善を目的とし、一部の海底に貝を撒いています。
タコ資源を守っていこうっていう強い想いがあって、今の活動を続けています。
ーー貝を撒くというのはやはり、最近問題視されている根掛かりしたエギのことも関係しているんでしょうか?
船長:それもあります。
魚のエサのために貝を放流するのではなく、その上にタコが住んでくれたらいいなと思ってやっています。
今年は300kg撒く予定です。

あとは稚魚放流ですね。発信器を付けたタコを放流してどういう移動性があるかを調査しようという話も近畿大学の方とさせてもらっています。
明石のタコがいなくなることがないように、精一杯の努力をしているところです。
ーー明石がよく釣れるっていうのは、その裏に“守る活動”を維持できているっていうことなんですね!
船長:そうなんです。
“残す”っていう活動をやっていかないと、明石からタコがいなくなってしまうと思い、みんなで協力してやってきました。
ーー今は解禁時期が狭まっているのでしょうか?
船長:昔は無制限でしたが、4、5年前くらいから5月〜8月が解禁になったと記憶しています。

ーーざっくりで良いのですが、タコ釣りの最盛期になるとどれくらい釣れていますか?
勝誠船長:その日の状況にもよるけど、みなさん自宅でいただくのには十分なくらい釣れていますね。
ーーでも小さいのはリリースですよね?
勝誠船長:県の条例で定められているので、100g以下は100%リリースですね。
漁師さんも100g以下のタコはリリースしているんですよ。

ーー「タコマイレージ」という言葉も耳にしたのですが......。
勝誠船長:これは、“持って帰れる大きさのタコ”をリリースしたらスタンプを押すっていう制度なんです。
最近は、200gとか300gくらいの大きさのタコを返す人も増えて、リリースが浸透してきた感じがします。
やはりこういう取り組みを、メディアで発信していくことによって広がっていきました。

ーー活動費っていうのはどこから出ているのでしょうか?
船長:部会所属の遊漁船が、毎年自身の所有する船の席数×500円を拠出しているのに加え、遊漁船業者などに設置した『明石たこつぼ募金』を活動費としています。
ーーそういった新しい取り組みも積極的にされているんですね!
では最後に、今後の構想を教えていただけますでしょうか?
船長:まずは、今行っているタコを守る活動に賛同してくれる人を増やすこと。
そして、自然保護の活動意識を明石市だけじゃなく神戸市、淡路市にも広げていきたいですね!

丸松乗合船の大船長と勝誠船長からお話を聞き、明石の海、そして明石タコを守りたいという自然保護への想いの強さを感じました。
「今後もタコ釣り楽しめるようにタコを守る」。
当たり前なようで難しいこの取り組みを、釣り船だけでなく漁業者や行政と協力して行う活動は、日本全国の釣り場を見ても中々ありません。
釣り人一人一人の意識で明石タコの宿命は変わるはずです。
ルールをきちんと守り、資源保全をしながらタコ釣りを楽しんでくださいね!
▼明石のタコ釣りプランはこちら




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