昭和45年に創業し、50年以上の歴史があり、ベテランから初心者まで幅広い釣り人に親しまれている羽田「かみや」。
東京湾で狙える四季折々の魚を追い求め、多摩川の河口付近にある桟橋から日々出船しています。
無料駐車場を完備しているのはもちろん、蒲田駅よりバスでの送迎もあり、車でも電車でも訪れやすいのが魅力的な老舗の釣船です。
大会のアジでエントリーした話

3/2(日)に東京湾遊漁船業協同組合が主催する江戸前釣り大会なる大会が開催されることを知った筆者。
調べてみるとアジ部門、タチウオ部門に分かれ、なんと計300人に迫る人数が参加する大規模な大会のようです。
東京湾でLTアジが始まった今から20年ほど前からしばしば乗船しており、筆者的にはそれなりに経験がある釣りもの。
「優勝狙っちゃう!?」
と意気込み、アジ部門にエントリーしました。
主催する東京湾遊漁船協同組合のホームページを見ると、アジ2尾の長さ(尾叉長)の合計で順位を競うというのが大会のルール。
アジ部門では全体で7つの釣船が出船し、「釣船単位の横取り方式」と呼ばれる各船の1位になった人から順番に総合順位が決まるんだとか。
上位に食い込むためには、船で1位になる必要があります。

これまでの経験上、LTアジで大きなアジを釣るために重要になることは「タナ」。
サイズが良いアジはやや高いタナでヒットすることが多いため、いつもより仕掛けを上げてアタリを待つのが1つ目の作戦。
また、水温が低い冬はアジの活性が低いことが多く、仕掛けを動かしすぎるとアタリが途端になくなるため、ビシをしゃくりすぎないのが2つ目の作戦。
自信満々の筆者はこの2つの作戦を引っ提げて、大会当日を迎えました。
乗船の流れ

まずは、筆者がお邪魔したかみやの乗船の流れを紹介します。

かみやの受付所(東京都大田区羽田3-22-3)の裏手にある駐車場付近へ向かいます。
5時半ごろから駐車場誘導員がいるので、指示に従って車を停めます。
店舗隣接の駐車場がいっぱいの場合には、臨時駐車場へ車にて送迎誘導してくれるので指示に従いましょう。

また、電車での釣行の場合には、JR蒲田駅にある東口交番前までバスにて送迎してくれるので、そちらを利用しましょう。

受付所で乗船料を支払い、札をもらい、乗船名簿を記入します。

受付所を出て左前にある路地を入り

突き当たり右手にある階段を登ります。

階段を登った先にあるスロープを登り、

階段を降りた先に桟橋の入り口があります。
船の前に各釣りものの看板があるので、確認してから乗船しましょう。
釣り座の決め方は先着順です。
クーラーボックスなどを船の座席にわかるように置き、座席を確保するのがルールとなっています。
受付時間よりも前に到着した場合には、船に荷物を置いて座席を取り、車内か桟橋付近にいるようにしましょう。
座席についてしばらくすると、支払い時に受け取った札を船長が回収しにきます。
札を渡したらエサがもらえます。

氷は桟橋にある冷凍庫の中に入っています。
1個100円で販売しているので、必要な場合には冷凍庫から取ってお金を前のカゴに入れましょう。
ここまでが乗船の流れです。
初めての人やグループで乗船する人は、出船時間の30分前には必ず到着するようにしましょう。
いざ大会スタート!

かみやのアジ船に乗船したのは21名。
その中にはかみやに足繁く通う常連の人も多くおり、出船前から楽しく談笑していました。

かみやはタチウオ部門でも出船しており、そちらの船も多くの釣り人で賑わっている様子です。
アジ部門に挑戦する釣り人のみなさんにお話を聞くと、
「作戦はとくになし、釣りを楽しむだけだよ!」
「数を釣ってその中に大きいサイズを混ぜる作戦ですね」
などなど。
大会で勝つことを意識している人、大会の雰囲気を味わいながら釣りを楽しみたい人、それぞれの思いを乗せて、定刻の7時半になったらいざ出船です。

船が指定の集合場所に到着すると、すでに大会に参加する船が集まっていました。
そして、8時になったら集合場所から移動を開始。

いつもよりも速いスピードで船が沖へと走り出します。
到着したのは、近隣のストラクチャー周り。
みなさん足早に仕掛けを準備し、船長の合図とともに仕掛けを投入します。
出船前のワイワイとした雰囲気から一転、大会特有の真剣モードに。
しかし、アタリはなく、すぐに船長から移動するとのアナウンス。

快速で飛ばしてやってきたのは、別のストラクチャー周り。

さらに船を細かく移動させてアジの反応を探すものの、なかなか魚探に映らないようです。
ほかのストラクチャー周りに行くも、そこでも魚探に反応がなく
「アジ、どこに行っちゃったんだよー、全然反応ないよー」
と船長からの悲鳴が。

それでも釣れる場所を探し、幾度となく移動を繰り返します。

そして、やってきたのは横浜を眺める沖。
「反応あるよ」
と船長からアナウンスがあり、釣り再開。
ちょっとすると
「やったぁー!」
と声が上がり、筆者とは反対側の釣り人がアジをキャッチした様子。

羨ましいなぁと思っていると、筆者の近くでもアジが釣り上がりました。
これはチャンス!?と真剣に釣りをしていると

筆者にもようやくアジが!

周りでもアジがポツポツと上がっている様子。

続いて筆者は2尾目をキャッチ!
計測に必要な2尾がそろい、とりあえずひと安心。

それからも細かく移動を繰り返しながら、ポツポツとアジが釣れ上がります。
筆者が4尾をキャッチしたのが11時半ごろ。
残りあとわずかになったタイミングで
「やっぱり、もう一回大きいの狙ってみるかな!?」
と船長からアナウンスがあり、再度ストラクチャー周りに移動します。
しかし、やはりストラクチャー周りは厳しめ。
反応が得られず、移動を繰り返して出船場所の近くまで戻ってきました。
残り時間は残りあとわずか。
最後になんとか追加したいと粘るものの、なかなかアジがヒットしません。

大会のスタッフがアジの計測を始め、みなさんドキドキとしながらその様子を見ています。
そんな中、筆者にようやくアジがヒット。

5尾目のアジをキャッチしたところで納竿となりました。
結果はいかに!?

釣りを終えた参加者を乗せた船は、表彰式が行われるまる八の桟橋へと向かいます。
桟橋に着き、まずはかみやのアジ部門の結果が発表されました。

かみやの1位に輝いたのは、かみや常連の垣内さやかさん。
じつは出船前に同船者から
「船の1位候補はさやかさんだよ」
「かみやの大会でもいつも上位に入賞しているさやかさんが船1位だろうね」
と多くの人がおっしゃっていましたが、その通りの結果でした。
お話を伺うと
「大きいアジだけを狙うというよりは、数を釣ってその中で大きなアジが混ざるのを狙って釣りをしていました。数を釣るためのポイントは、頻繁に赤タンを変えることですね。色が落ちてしまうと、反応が悪くなるようなので移動するたびに付け替えていました。また、小さなアジが釣れるときには、ややタナを下げることも意識していました」
ちなみに、垣内さんは数でも船トップでした。
さすがの釣りうまさん、おめでとうございました!

あれだけ自信満々に作戦を立てて挑んだ筆者は無念の2位。

でも、もらった封筒を開けてみると、中身はなんと今回大会に参加した船の無料乗船券。
これを使って、またLTアジの練習をしなさいということなのでしょうか。
いや、でも、無料乗船券はかなり嬉しいですよね!
そのほかにも景品をもらい、みなさん大盛り上がりの中、江戸前釣り大会のアジ部門が閉幕となりました。
船長インタビュー

今回LTアジを案内してくださったのは、かみや・神谷淳一船長。
優しく気さくな人柄で常連の釣り人の間では淳ちゃん船長の愛称で親しまれている、船長歴40年以上のベテラン船長にお話を伺いました。

ーー船長、今日はありがとうございました!
なかなか厳しい1日でしたが、大会の雰囲気を存分に味わえて楽しめました!
船長:1日お疲れ様でした!
大会だったのでなんとか大きなアジが釣れる場所がないかと探しに探して、でも、今日は魚探にも「これ!」という反応には出会えなかったですね。
こればっかりは自然相手なんで難しいですね......。
クルージングの1日となってしまいました。
いやぁ、今日は甘くなかったですね。
ーーでも、個人的にはいいアジが釣れて大満足でした!
今回の江戸前釣り大会、5年ぶりの開催ということでした。
前回はマコガレイがターゲットでしたが、今回からアジとタチウオ狙いにシフトしたんですね。
船長:近年マコガレイの釣果が下降気味になり、冬でも釣りやすいターゲットということで近年人気のアジとタチウオを狙うことになりました。
アジ、タチウオであれば、おかずになる分くらいは釣れるし、初心者にも挑戦していただきやすいですよね。

ーーターゲットがアジとタチウオになって、より裾野が広がったと思います。
江戸前釣り大会が次回も開催されるのを個人的にも楽しみにしています!
今回お隣になった方から聞いたのですが、かみやさんでは年に数回大会を開催しているようですね!
船長:そうそう、かみやでも定期的に大会を行っているんですよ。
直近ではアマダイ、カワハギを狙う大会をそれぞれ1回ずつ開催しました。
そちらも盛り上がっているので、ぜひ参加してみてくださいね!
ーーそれは楽しそうですね!
今度はその大会にもぜひ参加させてもらいたいです!
お話が少し変わりますが、かみやさんではどのようなターゲットを狙えますか?

船長:かみやでは、シロギスやアジといった初心者に人気のターゲットから、アマダイ、マダコ、カワハギなどベテランから人気のターゲットまで幅広く狙っています。
夜釣りでのアナゴ、沖まで走ってオニカサゴなども楽しめますよ!
ーー都心からのアクセスに優れた羽田から出船して、東京湾で狙えるターゲットの多くを網羅しているのは魅力的ですね!
では、最後に読者のみなさんにひとこといただけますでしょうか?
船長:お越しいただくお客様に釣っていただけるように精一杯頑張ります!
ぜひご気軽に遊びにきてください!

今回実際に乗船して感じたのはアットホームで、初心者でも訪れやすいというところ。
都心に近い釣船で東京湾の釣りを楽しみたい人は、ぜひかみやに乗船してみてくださいね!
▼羽田 かみやについて
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