初心者でも釣りやすく、初めての船釣りのターゲットとしてもおすすめのイシモチ。
釣れ上がるとグーグーと音を発し、愚痴をいっているように聞こえることからシログチとも呼ばれ、かまぼこの高級食材としても有名です。
また、韓国ではタイのように高級魚として扱われ、塩漬けにしてから干したものをクルビと呼び、旧正月や秋夕の供物としても定番なんだとか。
そんなイシモチを狙うべく、筆者が訪れたのが金沢八景の老舗・黒川丸。
黒川丸までは、横浜横須賀道路の朝比奈ICより約15分、首都高速道路湾岸線の幸浦ICより約10分。
京急本線の金沢八景駅より徒歩約8分と、車でも電車でもアクセスしやすい魅力的な釣船です。
乗船の流れ
黒川丸の看板がある建物と公園の間の路地に入ります。
突き当たりを右に曲がると駐車場があるので、スタッフの指示に従って駐車します。
車を止めたら受付場所に行き、
乗船名簿を書きます。
受付で乗船名簿を提出し、乗船料を支払います。
座席表から希望の座席を選び、
番号札と乗船券を受け取ります。
荷物を持って船に向かい、番号札に書かれた座席に座ります。
出船の前に船長が番号札と乗船券を回収しに来るので、すぐに渡せるようにしておきましょう。
その際に氷、エサ、バケツを受け取ります。
ここまでが出船の流れです。
そのほかわからないことがあれば、船長やスタッフに聞きましょう。
実釣レポート
今回はショート便を利用したため、定刻の7時半になったら金沢八景・平潟湾よりいざ出船。
大きな橋を2つ潜り、その先に見えるのが八景島シーパラダイス。
ジェットコースターの横を通過し、船が徐々に速度を上げて、横須賀方面へと走り始めました。
港を出船してから30分ほどで猿島沖に到着しました。
船長からのアナウンスがあり、釣りをスタートします。
水深は55mほど。
船長によると、オモリが底についたら30〜40cmほど上げ、ゆっくりとロッドを上下に動かして誘うのがいいとのこと。
アタリがあってもすぐにあわせず、重みが乗ったらあわせると針にかかりやすいようです。
ちなみに、仕掛けは黒川丸オリジナルのものを使用します。
受付で販売しているので、どんな仕掛けがいいかわからない人は当日購入するのがおすすめですよ。
エサのアオイソメは1つの針に1匹をちょん掛けにします。
船を流し始めて十数分、「グググッ」と大きなアタリが数回あったもののなかなかヒットしない筆者を尻目に......。
同乗した釣り人から「掛かったよ!」との声が!
様子を見にいってみると、本命のイシモチ!
写真撮影を終えて自分の釣り座に戻って釣りの準備をしていると、またまた「イシモチっぽい!」との声が上がります。
また、様子を伺いに行くと別の同乗者がイシモチを釣り上げました。
釣り方を眺めていると、ゆっくりと誘ってイシモチがヒットするのを狙っているようです。
早く本命のイシモチを釣り上げたい筆者、真似をするようにゆっくりとした誘いでアタリを探ってみます。
すると大きなアタリがありヒット!
グングンと強い引きを見せながら上がってきたのは本命のイシモチ!
ようやく1匹目をキャッチしました。
イシモチを美味しく食べるには血抜きが重要と船長。
エラの付け根から1〜2cmほどにある心臓の位置に切り込みを入れ、バケツに入れてうっすらと血が出れば血抜きがうまくいった証とのこと。
10分ほどバケツに入れておき、血が抜けたら海水で作った氷水の入ったクーラーボックスに入れておくといいようです。
エサを付け替えてすぐに釣りを再開し、2匹目、3匹目を狙います。
引き続きゆっくりと誘うと数回アタリがあるものの、なかなか針にかかりません。
アタリがあっても焦らず、ゆっくりとロッドを立てるようにあわせると......。
2匹目のイシモチをキャッチ!
なかなか難しい状況ですが、同乗者もイシモチを追加しているようです。
その後筆者もイシモチを追加。
2時間半ほどで6匹のイシモチをキャッチしました。
その間もこまめにポイントを移動し、イシモチが釣れる場所を探す船長。
しかし、潮止まりとなる12時が近づくにつれてアタリが遠くなり、さらにはなかなかアタリがあっても針に掛からない状況に。
「潮が動かなくなると難しくなるんだよね」と船長。
ここでポイントを大きく移動し、八景沖の水深30mほどを探ってみることになりました。
移動後、すぐに細かなアタリが数回。
なかなか針に掛からないものの、イシモチが釣れるのではと期待が高まります。
その期待に応えるようにヒット!
水深が浅いためか、先ほどよりも鋭く、さらには水面近くまで強く引き続けます。
上がってきたのは30センチを超えていそうな大きなイシモチ。
このサイズになるとかなり引き味を楽しめますね。
その後もアタリが続き、同乗者にもヒットしている模様。
筆者にもイシモチ、
ゲストのハナダイ、
カサゴ。
同乗者にはアジも釣れたようで、ゲストのアタリも楽しめます。
そんなこんなでアタリを楽しんでいると残り時間はあとわずか。
最後の1匹を目指して釣りを続けます。
数回アタリはあるものの、潮が動いていないためか、なかなか掛かりません。
アタリがあってもじっくりと待って、大きなアタリであわせてみるとようやくヒット!
当日最後のイシモチを釣り上げ、帰港時間を迎えて納竿となりました。
船長インタビュー
今回イシモチ釣りを案内してくださったのは、2025年に船長歴40年になるベテランの黒川欣也船長。
80年ほど釣船を営んでいる老舗の黒川丸を引き継いだという船長。
丁寧に対応してくれる優しい船長にお話を伺いました。
ーー船長、今日はありがとうございました!
久しぶりのイシモチ釣りを存分に楽しめました。
このイシモチ釣りの楽しさを読者のみなさまにお伝えしたいです!
船長:エサを食べさせて針に掛けるまでの駆け引き、強い引きを見せるのがイシモチ釣りの面白いところですね。
特に水深が浅くなると最後まで強く引くので、その引き味を楽しめます。
また、活性が高いときには簡単に釣れますが、難しい状況になるといかにアタリを出すか、そういった奥深さもありますよ。
ーー確かに、浅場で釣れたときにはゴンゴンと強く引き、引き味抜群でした!
基本となる誘い方は難しくなく、初心者でも楽しめそうですね。
船長:もちろん、初心者の人でも楽しめますよ!
ありがたいことに、黒川丸のイシモチ船には初心者の人にも多く訪れていただいております。
渋い状況で数を釣るには工夫が必要ですが、すごい難しい釣りではないので初心者の人でも十分に釣果を期待できます。
ーー初心者の人は気軽に楽しめて、慣れている人は数釣りを目指すというわけですね!
そんな魅力的なイシモチ、シーズンはいつからいつまでで、その中でもっとも釣れやすい最盛期はありますか?
船長:黒川丸では、9〜5月ごろまでイシモチ狙いで出船しています。
釣れる釣れないの波がありますが、最盛期は特になく、シーズンを通して楽しめますよ!
ーーシーズン通して楽しめるんですね!
ところで今日釣れたイシモチ、どのように食べようか迷っています。
どんな食べ方がおすすめですか?
船長:しっかりと血抜きをして、鮮度が高い状態であれば刺身、炙りにしても美味しいですね。
そのほかには塩胡椒で味をつけてバターで焼くバターソテー、キノコとバターを入れたホイル焼き。
また、頭を落として開きにし、めんつゆに2日間漬けて焼くめんつゆ開きもお客様におすすめしています。
そのまま焼いてもいいですが、干してから焼いても美味しいです。
イシモチは白身で淡白な魚なので、味に染まりやすく、手を加えるといろいろな料理で楽しめますよ。
ーー美味しそうですね!試してみます!
今回はイシモチ船に乗船させてもらいましたが、黒川丸ではそのほかにどのような釣りものを楽しめますか?
船長:イシモチ以外には一年を通してアジ、春から夏はシロギス、夏はカサゴ、6〜12月の解禁中はタコが狙えます。
また、貸切船ではタチウオを狙って出船することもあります。
ーーイシモチ以外にもさまざまな釣りを楽しめるんですね!
最後に読者のみなさまにひとこといただけますでしょうか?
船長:初心者のグループに貸切船をご利用いただくことも多く、初心者からベテランまで幅広い釣り人を大歓迎で受け入れております。
慣れない人にはレクチャーも行います。
レンタルタックルはもちろん、ライフジャケットなども無料で用意しております。
ほとんど道具がなくても楽しめるので、気軽に来ていただきたいです!
船長からお教えいただいためんつゆ漬け、作ってみましたが絶品でした!
みなさんもイシモチ釣りをした際にはぜひ作ってみて欲しいです!
黒川丸では、数に限りがあって先着順になるものの無料のレインウェア(一部有料あり・予約不可)も用意しています。
優しく丁寧に対応してくれる船長、女将が迎え入れてくれるので、船釣りに慣れていない人もぜひ訪れてみてくださいね!
▼黒川丸のイシモチの釣りプランはこちら